
ahamoが中国でも使えるって本当?
使う場合の注意点は?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
ahamoを利用すれば、規制が厳しい中国でも自由にインターネットを利用できます。
また、テザリング機能を利用すれば、PCやタブレットなどでもインターネットに接続することが可能です。
当記事では、ahamoを中国で利用するメリットや注意点などを解説します。
- ahamoのデータローミングを利用すれば、中国政府の検閲を回避してインターネットを利用できる
- 海外でのahamoの月間データ通信量は30GBまで
- 利用開始から15日経過すると通信制限がかかる
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ahamoとは?
ahamoは、NTTドコモが提供する携帯電話の料金プランです。
オンライン専用で契約可能で、月額2,970円という安価な料金プランでも、20GBのデータ通信が利用できます。
また、海外91の国・地域で追加料金なくデータローミングを利用でき、中国本土での利用も可能です。
そのため、短期出張や旅行の通信手段としても注目されています。
ahamoなら中国でもデータローミングが使える?
データローミングとは、現地の通信事業者のネットワークを利用することで、実際に契約している事業者のサービスエリア外でもデータ通信が可能になる仕組みのことです。
ahamoでは契約しているデータ容量の範囲内であれば、中国本土でも追加料金なしでデータローミングを利用できます。
中国への旅行中や出張中でも、現地SIMやレンタルWi-Fiを用意せずにデータ通信が行えるため、滞在中の利便性を高めることが可能です。
中国でahamoを使う際の対応エリアと通信会社は?
ahamoを中国本土で利用する場合、以下の通信会社の回線をローミング先として利用します。
- UNICOM(China Unicom)
- CMCC(China Mobile)
- CT(China Telecom)
都市部や観光地では比較的広範囲でつながるものの、地下鉄や郊外などでは接続が不安定になることが多いため、事前にエリアごとの対応状況を確認しておくことが重要です。
追加料金は必要?
中国でahamoを利用する際、基本的には追加料金は発生しません。
特別な申し込みも必要なく、通常の契約で問題なく利用できます。
データ通信だけでなく、電話やSMSも申し込み費用で利用出来るので、海外でも日本と同じ感覚で端末を使用することが可能です。
ただし、一定以上の利用で通信制限がかかり、満足にインターネットを利用できなくなるので注意が必要です。
通信制限がかかる条件については後述します。
中国でahamo(アハモ)を使う手順は?
中国本土でahamoを使う手順は、iPhoneとAndroidで異なります。
iPhoneの場合の手順は以下の通りです。
- 端末の「設定」を開く
- 「モバイル通信」を開く
- 「通信のオプション」項目の「データローミング」をオンにする
続いて、Androidの場合の手順は以下の通りです。
- 端末の「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」を開く
- 「モバイルネットワーク」項目の「データローミング」をオンにする
以上の方法で、中国本土でもahamoを利用出来るようになります。
ahamoを中国で利用するメリットは?
ahamoを中国で利用するメリットは以下の通りです。
- VPNなどを契約せずに日本もネットサービスを利用できる
- 中国のインターネット規制の影響を受けない
- テザリング機能が使える
- IPアドレスが日本のままになる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
VPNなどを契約せずに日本のネットサービスを利用できる
ahamoを中国で利用する最大の利点は、VPNを契約しなくても一部の日本のネットサービスにアクセスできることです。
通常、中国本土では「グレート・ファイアウォール」という検閲システムの影響で、日本向けのアプリやサービスが利用できません。
しかし、ahamoの海外ローミングを利用すれば、日本のネットワークを通じて通信が行われるため、検閲の影響を受けずに日本向けのサービスが利用できます。
サービスの選定や契約が必要ない分、VPNを利用する場合よりも手軽に利用出来るのがメリットです。
中国のインターネット規制の影響を受けない
中国のインターネット規制の影響を受けないことも、ahamoを利用するメリットです。
中国の「グレート・ファイアウォール」は、海外のサービスへのアクセスにとどまらず、中国でのインターネット利用を大幅に規制します。
SNSや検索エンジン、ニュースサイトなど多くの情報が制限されており、通常はVPNを使わない限りは自由な情報取得は困難です。
ahamoのデータローミングを利用すれば、現地の通信事業者を介してドコモの通信設備と接続し、ドコモの回線を利用してインターネットにアクセスできます。
結果として、中国の規制の影響を受けずにインターネットを利用することが可能です。
テザリング機能が使える
ahamoを利用することで、テザリング機能を利用できます。
テザリング機能を利用すれば、スマ-トフォンをWi-Fiルーター代わりにして、パソコンやタブレットなどでインターネット接続することが可能です。
データローミングされた回線を利用できるため、パソコンやタブレットなどでも日本向けのサービスを利用できます。
あくまでahamoの回線を利用することになるため、大容量のデータのやり取りなどには向きませんが、日本と同じ感覚でパソコンやタブレットを利用出来るのは大きなメリットと言えるでしょう。
IPアドレスが日本のままになる
中国でahamoを利用すれば、中国でも日本のIPアドレスでインターネットに接続できます。
そのため、国によって提供されるコンテンツが変わるサービスでも、日本向けのコンテンツを利用することが可能です。
例えば、NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスは、国によって提供している動画に違いがあることが多く、海外にいると目的の動画が視聴できないことも少なくありません。
ahamoを利用すれば、上記のようなサービスでも日本と同じ環境で利用できるため、ストレスなく中国に滞在できます。
ahamoなら中国でも電話できる?
ahamoでは電話番号の変更などを行わずに、中国と日本の間で国際電話をかけることが可能です。
国際電話をかける手順は、以下のケースで異なります。
- 中国から日本に電話をかける場合
- 日本から中国に電話をかける場合
それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。
中国から日本に電話をかけるには?
ahamoを利用して中国から日本へ電話をかける場合は、国際電話として発信する必要があります。
電話番号の前に日本の国番号「+81」を付け、最初の「0」を省略するのが基本です。
たとえば東京の「03-1234-5678」にかける場合、「+81-3-1234-5678」と入力します。
また、1分ごとに175円の通話料が発生する点に注意しましょう。
LINEをMessengerなどのアプリで通話機能を利用すれば、国際電話の通話料金が発生しないため、コストを抑えることが可能です。
中国から日本に電話をかけたい場合は、電話だけでなくアプリの利用も検討してみましょう。
日本から中国に電話をかけるには?
日本から中国にいるahamoユーザーへ電話をかける際は、通常通りの発信でつながります。
受信側がデータローミング中でも、日本側の発信には特別な設定や手順は不要です。
ただし、受診側に国際電話の料金が発生する可能性があるので、基本的には緊急時や要件のある場合に絞って活用するのが良いでしょう。
中国から日本に電話をかける場合と同様に、アプリの通話機能を活用すれば料金を気にせず通話できるので、中国の相手に日本から電話をしたい場合は、アプリをうまく活用することをおすすめします。
ahamoを中国で利用する際の注意点・デメリットは?
ahamoを中国で利用する際の注意点やデメリットは以下の通りです。
- 海外でのデータローミングは15日間まで
- 国内外問わず月間データ通信量は30GBまで
- docomoの海外定額プランとは併用できない
- 日本よりも通信速度が遅くなるおそれがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
海外で15日以上利用すると通信制限がかかる
ahamoのデータローミングを海外で利用する場合、最初に利用してから15日間経過すると通信制限がかかります。
厳密には、最初にデータローミングを利用した日本時間での日付を起算日とし、15日経過後の日本時間0時に通信制限がかかるので注意が必要です。
通信制限がかかると通信速度が送受信最大128kbpsになり、日本に帰国してからデータ通信を行うまで解除されません。
そのため、長期の旅行や出張の予定がある場合は、VPNや現地SIMなどの代替手段も検討すると良いでしょう。
国内外問わず月間データ通信量は30GBまで
ahamoには利用期間だけでなく、通信量にも通信速度が制限される条件があります。
ahamoの月間データ通信量は、最大で30GBに制限されています。
月額2,970円の通常プランの場合、月間データ通信量が30GBなので、日本と中国で合計30GB利用すると制限がかかります。
月額4,950円の「大盛りプラン」の場合は、月間110GBまで利用可能ですが、海外で利用できるデータ通信量は30GBまでとなっているので注意が必要です。
データ通信量の超過によって通信制限がかかると、最大1Mbpsの低速通信になります。
海外で15日以上利用した場合よりは通信速度が速いですが、動画視聴やテザリングなどで利用するには不十分な速度なので、海外でahamoを利用する場合は通信速度にも気を使いましょう。
なお、後から買い切りのデータ通信量の追加を行っても、海外での利用分については追加されないので注意が必要です。
docomoの海外定額プランとは併用できない
ahamoでは、docomoの「世界そのままギガ」や「世界ギガし放題」といった海外パケットサービスを併用できません。
そのため、柔軟な通信プランを活用したいと考えている人にとっては選択肢が限られてしまう可能性があります。
とくに、ドコモの定額プランで安定した通信環境を確保していた人がahamoに乗り換えた場合、従来の運用ができず不便さを感じることも多いです。
同じように、海外でのデータローミング活用のために別のキャリアからahamoへの乗り換えを考えている場合は、既存のキャリアやプランの海外向け機能を今一度確認し、ahamoの機能と比較することをおすすめします。
日本よりも通信速度が遅くなるおそれがある
中国でahamoを利用する場合、日本国内と比べて通信速度が低下することが多いです。
データローミングを利用した場合、通常の通信と異なり、2つの通信事業者を介することになるため、通信データの経由先が増え、結果的に通信速度の低下につながります。
特に、動画視聴やビデオ会議といった大容量な通信が必要な場面では、通信の遅延や画質低下のリスクが高くなります。
滞在先で安定したネット環境を確保したい場合は、VPNに接続してホテルのWi-Fiを利用するなど、別の方法も検討しましょう。
ahamoのデータ通信量を中国で有効に使う方法は?
ahamoのデータ通信量を中国で有効に使いたいのであれば、以下のような方法を検討しましょう。
- ポケットWi-Fiを使う
- 現地でSIMカードを購入する
- 現地のフリーWi-Fiを利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポケットWi-Fiを使う
まずはポケットWi-Fiを併用する方法です。
ポケットWi-Fiをレンタルして中国への旅行や出張に持っていけば、ahamoのデータ通信量を節約できます。
また、複数端末を接続することも可能なので、スマートフォン以外の端末でもインターネットを利用することが可能です。
とくに、動画視聴や大容量ファイルのやり取りなどをする機会がある場合は、月間30GBのahamoのデータ通信量制限にかかる可能性が高くなるので、ポケットWi-Fiも用意しておくと安心です。
中国対応のWi-Fiレンタルであれば、1日1,000円前後でデータ容量無制限のポケットWi-Fiをレンタルできます。
現地でSIMカードを購入する
現地SIMを利用すれば、ahamoのデータ容量を温存しながらインターネットを利用できます。
中国の主要都市では外国人向けに販売されているプリペイドSIMカードがあり、短期滞在者でも手軽に導入可能です。
通信キャリアごとにプラン内容は異なりますが、数GBから使えるリーズナブルものもあります。
SIMフリー端末であれば差し替えるだけで通信が可能なため、設定も比較的簡単です。
ただし、現地でSIMカードを利用する場合は中国のインターネット環境を利用することになるため、検閲の対象になります。
そのため、日本のインターネットサービスなどを利用したいのであれば、検閲回避が可能なVPNとの併用が必要です。
現地のフリーWi-Fiを利用する
現地のホテルやカフェ、空港などで提供されているフリーWi-Fiを活用すれば、ahamoの通信量を節約しつつインターネットを利用できます。
ただし、フリーWi-Fiは通信が暗号化されていないことが多いため、扱う情報には細心の注意が必要です。
基本的にはそのまま接続せず、VPNなどを利用してセキュリティ性能を高めた上で接続することをおすすめします。
特にVPNであれば、中国政府の検閲も回避できるので、より自由にインターネットを利用することが可能です。
ahamoを中国で使う際のよくある質問
ahamoを中国で使う際のよくある質問をまとめました。
中国への渡航前やahamoの契約前に、あらかじめ確認しておきましょう。
- ahamoの通信速度が遅い場合の対処法は?
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中国でahamoを利用中に通信速度が遅いと感じる場合、まずは再起動を試してみましょう。
電波状態が悪い場所では通信が不安定になるため、再起動でも改善しない場合は窓際など電波の届きやすい場所に移動してみるのも効果的です。
また、ネットワーク設定を「自動」から「手動」に切り替え、ローミングの接続先を変更することで改善することがあります。
どうしても改善しない場合に備えて、ポケットWi-Fiや現地SIMの併用などの代替案を用意しておくのも良いでしょう。。
- ahamo以外で中国から日本のサービスを利用する方法は?
-
ahamo以外で中国から日本のサービスを利用する方法としては、VPNサービスの活用が挙げられます。
VPNを活用すれば、現地のフリーWi-Fiなどを利用する場合でも、中国政府の検閲を回避することが可能です。
また、暗号化された仮想の専用回線を構築できるので、セキュリティ面も確保できます。
ただし、無料のVPNはセキュリティ性能が低く、そもそも中国で利用できないことも多いため、基本的には有料のVPNを利用することになります。
結果として別途料金が発生するので注意が必要です。
- 中国でもahamoのSMSは使える?
-
中国に滞在中でも、ahamo契約者はSMSを利用することが可能です。
ただし、中国を問わず、国際SMSを利用する際には別途通信料がかかります。
国際SMSの通信料は受信の場合は無料で、送信の場合は以下のように文字数に応じた料金が発生します。
スクロールできます半角英数字のみの場合の文字数 全角の場合の文字数 1回あたりの通信料 1~160文字 1~70文字 50円 161~306文字 71~134文字 100円 307~459文字 135~201文字 150円 460~612文字 202~268文字 200円 613~765文字 269~335文字 250円 766~918文字 336~402文字 300円 919~1071文字 403~469文字 350円 1072~1224文字 470~536文字 400円 1225~1377文字 537~603文字 450円 1378~1530文字 604~670文字 500円 文字数が多くなると、1回あたり最大500円までかかるので注意しましょう。
ahamoで中国でも日本のサービスを利用しよう
中国におけるahamoの有用性について解説してきました。
本記事で重要なことをまとめると以下の通りです。
- ahamoのデータローミングを利用すれば、中国政府の検閲を回避してインターネットを利用できる
- 海外でのahamoの月間データ通信量は30GBまで
- 利用開始から15日経過すると通信制限がかかる
ahamoのデータローミングを利用すれば、VPNなどを利用しなくても中国の規制を回避してインターネットを利用できます。
ただし、中国を含めた海外では月間30GB以上通信すると通信制限がかかるので注意が必要です。
また、中国でのデータローミングの開始から15日経過すると、より強力な通信制限がかかるので注意しましょう。
当記事を参考に、中国でも快適にインターネットを利用しましょう。